Ryu gallery

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閑静な住宅街に建つ、建物の一室に計画されたギャラリーである。 画家である施主から求められた機能は自身の彫刻の常設展示スペース、学生の絵画教室スペース、流し台スペースなどであった。インテリアデザインとはいえ、道行く人や車から作品をどう見せるかという、インテリアを超えて、街の空間の一部となり得るプロジェクトであると感じた。
我々の提案は、彫刻展示スペースと絵画教室スペースを一体として、流し台スペースとの間に壁を一枚建て、中央に開口部を設ける、というものだ。即物的に壁を一枚建てることで、既存のサッシ、エアコン、流し台といった諸々の具体的な物体を表の通りからは見えないようにし、高い抽象性の確保を目指した。 白い抽象的空間の中に、暴れ狂う黒い彫刻が対比的に設置される。その背後に椅子と三脚、デッサン用石膏像を置き、彫刻が通りからの目隠しにもなって、集中して学生が絵を描くことができる。 また、彫刻は可動になっているので、奥に寄せて、手前に他の作品の展示もできる。 小さいながらも、施主の芸術に取り組む生活の断片が住宅街の日常風景の中で鮮やかに現れるように配慮した。

所在地:高知県
主要用途:ギャラリー
面積:14㎡
構造:木造
規模:地上2階(一室)
写真:西森秀一
竣工:2015