House S

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若い夫婦と幼い子供2人の住宅である。
敷地は小高い山の頂上にあり、幹線道路から敷地までは曲がりくねった道を奥へと進み、住宅が建ち並ぶエリアを通り抜けて到着する。計画地は住宅に囲まれているが、周辺地盤は計画地から約3m下にあり、敷地上空は空に大きく開かれ、遠くの山々を見通すことのできる開放的な場所だった。
こういった、奥に入っていく感覚と、空や遠くの山々に徐々に開かれていくシークエンスに含まれる経験の楽しさや心象の変化を建物のシークエンスに取り込み、周辺環境とつながりのある建築を目指した。
具体的には、「複数の奥」を感じられるように枝分かれする経路を内部に設け、移動すると経路の折れ曲がりで内部・外部の見え隠れがあちこちで生じ、奥の空間の気配が滲み出し、次の空間に自然と誘いこまれるような感覚が生まれる。そして、徐々に大きなスケールに開かれていく感覚は、1階から2階に移動していくと開口部から見える風景が近景から遠景へと変化することによって生まれる。
施主の主な要望は、家で仕事をしたり、友人を招いて食事会をしたり、家族と離れて1人で静かに過ごしたり、子供が離れていていも何となく気配を感じることができるように、といった内容だった。そこで、物理的距離を十分確保した経路上に同じ位の広さの居場所を点在させ、各々見通せるような位置に開口部を設けて、どこにいてもなんとなくお互いの雰囲気を感じ取ることができ、心理的距離を自身の立ち位置で調整できるようにした。

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所在地:高知県高知市
主要用途:専用住宅
敷地面積:263.50㎡
建築面積:88.53㎡
延床面積:120.70㎡
構造:木造
規模:地上2階
構造設計:福島佳浩
写真:長谷川健太
施工:建築企画曽我
竣工:2020