Fukuya Construction Office Building

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高知市を拠点に約50年続くフクヤ建設の新社屋の計画である。
フクヤ建設は戸建て住宅設計施工を主な事業とし、近年では不動産、飲食経営、リノベーション、イベント企画と事業内容を広げ、まちづくりにもチャレンジしている。主な要望として、そういった個性的な事業内容によって固有のコミュニティが生まれている状況を活かして、地域の人達も気楽に訪れて賑わう働く環境をつくりたい、というものだった。地方都市ではかつて、商店街が各所のローカルにおけるコモンズとして機能していたが、大型商業施設ができてからは、顔見知りの関係が切れた商業的な賑わいによって、コモンズは消失しつつある。しかし、最近では小さいながらも各自の個性を活かしたコミュニティが街の各所に離散的に生まれてきており、フクヤ建設もある商店街の古い建物をリノベーションして、小規模な複合文化施設の運営をしている。
そこで、フクヤ建設が関わる人達や事物の連関をマップ化して、新社屋の中にどういったプログラムを入れていくと地域におけるコモンズになり得るのか、施主と議論を重ねた。できるだけ複数の活動がフロアの中に同時に発生していても成立するような距離感や見え隠れが生まれるように、台形の敷地形状や2つの道路に面することを場所づくりに活かすように構成を考えた。
同時に、温暖で日照時間が長く降雨量の多い高知の気候に対して、南と西側に半外部のテラスを各階に設けて、室内への日射を緩和しつつ、各立面で特徴を持った多様性のある外観を目指した。半外部のテラスは建物角部下部で3層分、上部で2層分吹き抜けたスケールを街に提供し、地方都市ならではの風通しの良いおおらかな風景が生まれている。通りから2階のカフェテラスにゆっくり上がる鉄骨階段は人を気楽に建物に招き入れる役割を果たしている。
敷地周囲の橋や鉄道といった土木構築物に対して、外壁は存在感のあるRCとし、鉄骨躯体の軽やかさと合わさって、道行く人が安心感と楽しさの両方を感じられ、多くの人が出入りする中で地域におけるコモンズとなることを目指している。

drawing(click)

所在地:高知県高知市
主要用途:事務所・飲食店
敷地面積:742.03㎡
建築面積:507.47㎡
延床面積:1769.23㎡
構造:鉄骨造
規模:地上5階
構造設計:福島佳浩
設備設計:シグマ設備設計室
写真:長谷川健太
施工:龍建設
竣工:2023